9月は、歳時の話題として、中秋の名月から秋の七草、秋の作品として島崎藤村の「初恋」、ご当地作品として、これも島崎藤村の「夜明け前」をご紹介しました。
呼吸筋ストレッチのとき、一番ご高齢の方が、呼吸法が終わったとき、「手が赤くなってるわ」と手のひらを見せてくださいました。
「秋の七草」では、脳の活性化につながるよう、右手・左手・両手と指折り数えながら、五七五七七でテンポよく、3回だんだん速くしながら読みました。
少しずつ段階を踏んで自然に声を出せるようプログラムを組み、最初は声の小さかった方も、クレッシェンドしていくうちに声が出るようになり、「初恋」を、ひとりずつ回し読みするときには、しっかりと声を出していました。
「故郷の空」の輪読では、事前に説明したわけではないのですが、全員が私の真似をして片手で膝を叩きながら読んでくださったり、一人が足踏みをながら自発的に足の運動を加えてくださったのをきっかけに、全員で足踏みをしたがら読みました。個々の声と身体がつながり、集中して取り組んでくださいました。
5人ずつ2つのグループに分かれての輪読が上手くできたので、3人ずつ3つに分けて輪読したとき、「楽しいわね」と声があがり拍手がおこりました。個々の達成感と全体の一体感が得られました。
「初恋」の思い出を伺ったときは、「学生時代の憧れの方と今も同窓会であえるのよ」と言い、「その方はお年をめしても変わってませんか?」と聞くと「変わらないわね~」と嬉しそうに話してくださいました。
「夜明け前」では、「板橋」「一里塚」の言葉が出てくるところから、積極的な発言がみられ、イメージを共有しあうことができました。
作品から、初恋を回想したり、江戸時代の中山道をイメージすることよって、会話がはずみました。視力の弱い方や聴力が弱い方、気分が少し沈んでいるご様子の方も、興味のわく話題には目が輝き、音読も一所懸命取り組んでくださいます。
これからも、情景のイメージが湧くような日本の文学作品をご紹介しながら、美しい日本語を声に出して読んで介護予防に役立てる活動を広めていきたいと思います。
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