介護予防教室では、最初にストレッチ体操、呼吸法、舌の体操、発声練習をした後、徐々に声を出すことに慣れていただくために、俳句や短歌など短い文章を全員で声に出して読みます。
次に、詩を用いて、身体を使ってリズムを刻みながら読みます。2つのグループに分かれて、交互に読みます。呼びかけ合うように読むのがコツです。そして徐々に、グループを細かく分けていきます。
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石川啄木
ふるさとの 山に向かいて 言うことなし ふるさとの山は ありがたきかな
ふるさとの 空遠みかも 高き屋に ひとりのぼりて 愁いて下る
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木曾節
木曾の御嶽山
夏でも寒い
袷貸したや
足袋そえて
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今日は、今年没後50周年になる佐藤春夫の「海辺の恋」を輪読しました。
タマゴマラカスなど、小物の打楽器をもちいてリズムを刻みながら、ずらして読んでいきます。
他の人の声を聞きながら自分の声を発する活動は、集中力を養い脳の活性化にもつながると思います。
4拍子に気付き、「浜辺の歌で歌えるわよ。」と嬉しそうに、替え歌にして歌ってくだる方がいました。
最後に「楽しかったわ」と言ってくださった方もいらして、私も嬉しくなりました。
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海辺の恋 佐藤春夫
こぼれ松葉をかきあつめ
をとめのごとき君なりき、
こぼれ松葉に火をはなち
わらべのごときわれなりき。
わらべとをとめよりそひぬ
ただたまゆらの火をかこみ、
うれしくふたり手をとりぬ
かひなきことをただ夢み、
入り日のなかに立つけぶり
ありやなしやとただほのか
海べのこひのはかなさは
こぼれ松葉の火なりけむ。
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